近況〜PSPゲーム「とらドラ・ポータブル!」面白かったよ!編

(「とらドラ!ポータブル」公式サイト)
http://b.bngi-channel.jp/toradora/

 時間ないなぁ、といいつつゴールデンウイークから5月前半に遊んでいたゲームが「とらドラ ポータブル!」(PSP/バンダイナムコゲームス)。

 「とらドラ!」は竹宮ゆゆこ作の恋愛小説(電撃文庫)で、テレビアニメにもなって名前くらいはご存知の方も多いと思うが、そのテレビアニメを題材にしたアドベンチャー、ノベルゲームの一種ですね。

原作の主なストーリーはこちら→http://b.bngi-channel.jp/toradora/what.html

 私はテレビアニメしか見ていないのですが、主人公コンビも周りのキャラもすごく好きで、原作の魅力をアニメに仕立てているのならば、この作品が人気なのもわかる気がします。実際、アニメ見ていて面白かった。

 が、正直に言うと、テレビアニメの「とらドラ!」はほぼ全て鑑賞しながら、その後半まどろっこしい展開にイライラしていました。その三角四角関係を中心に良い意味で“やきもき”させる要素でもあるし、作品の魅力だと思うのだけど、素直に楽しめないのは歳かもしれないなぁ。
 あと、自分の(どのキャラも好きだが)特に好きなキャラが割を食っているのも釈然としなかったのも大きいかもしれない。

 なので、「とらドラ!・ポータブル」を購入したきっかけはゲームが原作のIFストーリーということで、TVアニメの展開にリベンジしたいのが大きなところ。だったのだが、これが本当に面白くて、原作モノのノベルゲーム系としてもよくできていたのだ!

●原作既読者にも未読者にも優しい設定

 プレイヤーは本編の主人公視点で遊ぶのだけれど、年末(アニメで言うところの第19話『聖夜祭』の直後)に高熱で寝込んで目が覚めると記憶喪失になってた!・・・というところからゲームの物語はスタートする。

 お約束と言えばお約束だけれど、主人公の中では人間関係が白紙になっているので、仕切り直しがはかられたり、改めて自分と周囲を見つめ直したりすることで、原作とは異なる展開に。しかも、シナリオ・エンディング共に多彩で、エンディングに至っては20種類以上! もちろんBAD的なものも含むが、それも含めて様々な“IF”を楽しめる。思わぬカップリングや、もちろん原作通りのもどかしい展開を楽しむことも可能。

 そして、記憶喪失で主人公がこれまでの物語を忘れているがゆえに、原作未読者も楽しめるのではないでしょうか。
 そのあたり、セガサターンの名作ノベル「機動戦艦ナデシコThe blank of 3years」(セガサターン/セガ)を彷彿とさせられました。あれは、TVアニメ最終回の直後に主人公が記憶喪失の第3者として登場し、ナデシコの物語に入っていく流れになっていて、とまどいながらも自然に「ナデシコ」の物語に入っていける工夫がされていたのでした。
 
 
●快適なシステム周り
 メイン画面のインターフェイスは従来のノベルアドベンチャータイプと大差ないのだけれど、既読文スキップ・オートセーブ・クイックセーブ&ロードと、およそノベルタイプのゲームで欲しいシステムは装備されて快適に遊べます。やはりそのあたりストレスを減らしてくれるのは嬉しい。
 私的には、オートセーブの便利さと、既読文履歴の好きな個所からのロードが特に便利。


 その他、アイテムを入手してフラグを立てていくところは、ゲーム的要素を上手くノベルタイプのゲームに組み込んでいるなぁ、と感心しました。個人的な好みでは物語を楽しめたらマルチシナリオ&エンディング以外のゲーム要素はなくて良いとも思ってますが、アイテム要素がゲーム的要素に深みを増していると共に、アイテムさえ入手すればよいのでフラグ立てをわかりやすくしていると思います。


 そして何よりも重要だったのは、TVアニメのキャラクターとその立ち位置がぶれることなく、オリジナルストーリーが構築されていること。エンディングも好き度合いはあるけれど、どれも面白かった。

 素晴らしい完成度でした。ごちそうさまでした。