俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル(PSP/バンダイナムコゲームズ)

平成23年1月28日発売。テキスト主導アドベンチャーゲーム
 プレイヤーは主人公「高坂京介」となって、妹の桐乃のみならず、黒猫、沙織、麻奈美、あやせといった面々からも人生相談を受けて、孤軍奮闘する話。ゲームオリジナルストーリーが楽しめるぞ。


・・・というゲームだったのですが、先日シナリオチャートコンプリートしましたので、感想を。
 これから遊ぶ人もいるかもしれないので、この文では簡単な概要とシステム面の感想を。一応ストーリーネタバレは避けておきます。

 前程として、原作未読、アニメはTVシリーズを全て観て面白かったという、俺からの感想。
 まず、面白かったです。期待していた 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のIFの物語を堪能しました。

 そして、この手の繰り返しプレイが前提のテキスト主導ゲームで問題なのがゲームシステムなのですが、遊びやすく快適なシステムでした。
具体的に挙げると次のような感じ。
・シナリオは通過済みのルートがフローチャートで描かれてクリア済みのルートが確認しやすい。

・既読文章スキップは十分な早さだった。

・セーブ&ロード、クイックセーブ&ロードは共に充分な早さで行えるので、ストレス少なく。

・シナリオバックログを読めるのはもちろん、バックログ中のセリフ単位・シーン単位で好きな個所からロードしてやり直せるのが大変便利。
 このシステムは現在のアドベンチャーゲーム(すくなくとも家庭用で自分の遊んでる範囲で)でもデフォルトではないらしいけど、本当にありがたい。わりかし見かける「前の選択肢まで戻る」機能と比べて、間違った箇所を確認しやすい点と2つ以上の選択肢をまたいでやり直しやすい点で優れていて、既読文スキップで早送りを使う2回目以降のプレイで特に威力を発揮する。あと、気に入った個所をリプレイできる点も自分的には便利。


 注文があるとすれば、オートプレイ(手離しでも一定の速度でテキストが進む)機能や、携帯ゲーム機なので左手だけでもプレイを進められる仕様は欲しかったかも。
逆にいえばそのくらいで、気持ちよくゲームを進められました。

 あと、特徴的なシステムである「ツーショット会話」と「アイテムの使用」について。
 
 「ツーショット会話」はいい選択肢システム。 
 ヒロインとの会話中「ツッコミ」を入れるかどうかが表示されるので選ぶのだけど、ツッコミをいれるかどうか考えている間もヒロインは話し続けるので、タイミングを逃すと突っ込めなくなってしまう時間制限付き。しかも「あえて何もせずツッコミをいれない」が正解の時もあるので、ツッコメがいいというものではないわけです。ヒロイン側もだまって聞いていてほしい時もあるわけです。
 基本的にツッコミをいれるかどうかの2択なのだけど、ツーショット会話中はオート進行&時間制限で緊張感のあるプレイが楽しめました。

 「アイテムの取得と使用」は、いわゆるフラグをわかりやすい形にしたシステム。
 シナリオ進行中に何かアイテムを手に入れる事があり、途中、シナリオの分岐場面で使用するかを気行かれます。そこで使用するかどうかでシナリオ分岐に影響があるという感じです。なかには特定のルートを通ることで手に入るアイテムもあるので、そのあたりアイテム探し=フラグ立てという感じですね。立てたフラグ(アイテム)をあえて使わないことでシナリオが新たな展開をみせることもあったりするので油断ならない。

 この2つのシステムは旧来のテキスト選択の変形ともいえますが、一工夫も二工夫もすることで、俺の妹Pをただテキストを読み進めるモノではなく“ゲーム”にしていると思います。


 あと、原作・アニメ・ゲームにおける時間軸について。
 TVアニメを観た人が遊べば概ね前提(キャラ関係)は理解できると思うけど、俺みたいにTVだけみて原作をこれから読もうという人には一部ネタバレありなので、その点だけは留意されたい。俺はあまり気にしなかったけど。
 具体的には、TVアニメ(TV放映版ね)は小説4巻までを元に描かれていて、PSPゲームは小説5巻終了後の時間軸からスタートしているらしい。つまり、TVでやっていない原作小説5巻の内容は少しネタばれるわけですな。ちょろっとドラマCDの内容にも触れてるらしいけど、その点は気にしなくてよいと思う。


 といった感じで、システム面では大変満足したゲームだった。「とらどらポータブル」の時の面倒なシステムを知っているだけに不安だったけど、良かったよかった。

(ストーリー、ネタバレ有り感想編に続く?)