最終回、漫画とアニメの差
というわけで、アニメ版に遅れること約一ヶ月、原作も最終回を迎えた「美鳥の日々」。
ラストだけ見るとほぼ同じなのですが、比較してみると結構異なる物語となっています。
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美鳥が沢村の右手になっている間の日々は、漫画・アニメ共にほぼ同じ。*1
大きな相違点は終盤、美鳥が元に戻る前後の発生イベントで、
- 「綾瀬の告白イベントの物語への組み込まれ方が異なる」
- 「漫画版では美鳥が元に戻る前にその決意を沢村に告白する」
の2点。ではそれがどういう違いをもたらしているか?
「アニメの最終回は美鳥だけの話になっている」のが一番の違いでしょう。
漫画版では右手から元にも戻る美鳥の決意が沢村に語られ、その後に沢村もそれに答える行動をとります。
つまり、美鳥の物語であると同時に沢村の物語でもあったのです。
ですが、アニメでは元に戻ろうとする決意についての美鳥と沢村の話がありません。
アニメでは(沢村が知らないうちに)元に戻って、沢村がヤサグれて町を彷徨ったり、美鳥の家の様子を遠巻きに伺ったりするエピソードがあります。
が、まぁ沢村がどうこうする話じゃあなく、そのあたりはアニメ最終回の方が薄く感じられる部分でした。
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綾瀬の告白イベントについては、アニメの方が良かったと思う。
“いままで溜まった気持ちが爆発した”ってのは漫画・アニメ共に同じだったのですが。
漫画のほうは「あっ! うっかり口がすべった!」とかだったので、いままで引っ張ってきた割にはアッサリな感じが少々いただけなかったので。
アニメでは、綾瀬の気持ち問題(もう一歩踏み込めない)も併せて描かれていて、先にも書いた沢村やさぐれイベントと巧く絡めてあって、良いイベントになっていて良かった。
ただ、漫画版では美鳥の決意の一因になっているので、物語的な意味はあったのですけれど。
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他には、
- 「漫画版は、7巻分のエピソードの積み重ねがある分、ラストの盛り上がりが大きい」
- 「アニメ版の最終回は若干急な展開をしている*2とはいえ、全13話だったことを考えればよくまとめていたと思う」
とかでしょうか。
とにかくも、漫画・アニメどちらも良いところがあって、面白かったので満足でした。