コードギアス(PS2)VS パルフェ VS 君が望む永遠

 PS2の「コードギアス 反逆のルルーシュ LOST COLORS」(バンダイナムコ)を遊んだ。いわゆるテキストアドベンチャーゲームで、プレイヤーは記憶喪失の少年。TVシリーズ第1シーズンの世界でルルーシュやスザク達おなじみのキャラと黒の騎士団したり、軍人になってスザクと大暴れしたり、アッシュフォード学園で学園祭したりとコードギアスの世界をフルボイスで書き下ろしシナリオで満喫できるわけで、大変楽しめました。個人的には、血染めのユフィの惨劇を回避できるのがよかった。そうなんだよ、血染めのユフィを回避できたら後はハッピーエンドになるしかないんだよ。ええ話やった。
(公式サイト)http://www.geass-game.jp/ps/index.html

 ただ残念なのは、システム。大枠で4つあるシナリオを一通り楽しむくらいまではよいのですが、全キャラクリアは断念。既読メッセージの早送りといった基本システムは装備しているものの、正直、マップ移動を繰り返し試していくのは正直しんだい。選択回数が多い上に、途中で攻略キャラではない(エンディングがない)キャラのところにまで強制的に通過せざるを得なかったりするのもだるい。もうちょっと繰り返しプレイが楽になるシステムが装備されていたら、たぶんもっと絶賛してた。既読メッセージは一瞬で飛ばせたりとか、既読イベントはそれがわかるようにするとか。でも一番の希望は移動選択の回数が減ることか。

 そんな不満があったせいか、買ったまま未プレイだったPS2の「パルフェ - Chocolat Second Style -」(アルケミスト、元は戯画発売のパソコンゲーム)を急に遊んでみたくなった。
(公式サイト)http://www.alchemist-net.co.jp/products/famille/

 あー、これは面白い。やり始めると続きが気になって仕方がなく、週末に徹夜までして一気に全員の真EDまでクリアしてしまった。物語もすばらしかったのだけど、ここではそのシステムについて特筆したい。
 ゲーム的な説明をすると、この「パルフェ」も場所移動によってヒロインとのイベントが発生し、それによりフラグを立ててお目当てのヒロインのエンディングを目指すというオーソドックスなシステム。だけど、「イベントシート」というシステムにより、現在進行中のイベントとすでにみたイベント内容をチェックできるようになっている。いつ誰のイベントが起こるのか、どこのイベントを見ていないのかが分かるようになっています。さらに、そのイベントが誰のイベントかはもちろん、発生条件や誰のエンディング条件になっているかまで確認できるのです(一度は通過したイベントに限る)。これによって2回目以降のプレイが格段に遊びやすくなっており、お目当てのヒロインエンドを目指しやすくなっています。マップ移動選択回数もそれほど多くないし、次の選択肢までワンボタンでスキップもできたり、既読文章の好きなところからロードしてやり直せたりするので、かなり快適。物語を楽しむのに集中できた。

 このシステムの話を友人にしたら「すでにゲームとしての面白さはない」というような感想をいわれたのだが、ゲーム攻略という意味では僕もそう思う。マルチエンディングのゲームとはいえ、「パルフェ」のシステムまでやってしまうと攻略情報(というか便利すぎなオートマッピング?)を製品内に装備しているようなもので、攻略本もほとんど必要ないレベル。でも、物語を楽しむシステムとしては十分だと思う。どこに行くか(どのヒロインに会うか)だけでほぼエンディングが決まってしまうのなら、トライアンドエラーなどストレスを貯めるだけにすぎない。
 「パルフェ」のシステムが一番優れているとは言わないけれど、キャラの魅力と物語を読ませるのがシステムの仕事なら、これはこれで一つの完成形のシステムに近づいてると思うのです。
 
 この手のノベルやアドベンチャーゲームでつまらないと思うのは、クリックするのが「だるい」と感じた瞬間。逆に言えば、プレイヤーが喜んで読み進んだり、繰り返し遊んでくれるのならそのゲームは面白いゲームに違いないわけです。
 「パルフェ」のシステムはあくまでその為の補助とはいえ、キャラと物語の魅力を楽しんでもらう為のシステムとして良いものであり、逆にその点が不十分だった「コードギアス」は、シナリオの構成は良かったと思うのに、不満が残ったのだと思う。

 さて、システムがゲームに与える影響を思うと、僕の中では「君が望む永遠」が出てくる。

(つづく?)