ストロベリー・パニック! 第3巻(完結)(公野櫻子/電撃文庫(メディアワークス)

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小説版、ついに完結!
いやぁ、面白かった! 良かったすよ〜。同じ敷地内に存在する3校の名門女子高を舞台に展開するドラマにドキドキでした。

第1巻では、主役格の2組のカップル、渚沙&静馬と天音&光莉の出会いと惹かれあっていく様が描かれ、物語は静かに始まります。が、3校の名誉をかけた学園のベストカップルを決める “エトワール選”が始まると物語が一転。それぞれの生徒会の思惑が入り乱れ、またそれに翻弄される彼女たち。そして、彼女らを取り巻く少女たちの想いが絡み、ドラマは思わぬ方向に進んでいきます。
第2巻では“エトワール選”に新たなライバル“帰ってきた学園のすごい奴”も登場。彼女たちの物語に拍車を掛けます。
そして、第3巻では、さまざまな思いに翻弄された彼女たちの選択と、顛末と、決着が描かれ、物語は一気に収束に向かっていくのです。

これです。これが、僕の見たかった「ストロベリー・パニック!
特に、天音&光莉のドラマが良かったね。それに、スピカの剣城要と南斗夜々が、すごく良い立ち回りをしていたのが大きいです。*1

もっと“エトワール選”を中心に最後まで進んでいくのかと思ったのだけれど、そうではなく。あくまで“エトワール選”はきっかけとして、それぞれのカップルのドラマと結末、そして彼女たちを取り巻いた人々に決着を与えたのは、(自分の最初の期待とは少し違ったけれど)僕は良かったと思います。“戦い”という外面的なドラマの力を借りず、内面的なお話に終始したことが、この作品の良いところだと思いますし。

まぁ、そんなわけで、キャラクターものとしてもだけど、小説として面白かった。久しぶりでした、次のページをめくるのがもどかしいくらい見入った小説は。

*1:スピカサイドはかなり百合でして、このあたり、しまむ〜が喜ぶところじゃないかと。