恋愛出世絵巻えん×むす 最終回を迎えて

普通の高校生の主人公、蟻川義介の元に、一人のロシア人メイドが現れ、一つのお守りを預けられます。それは、大企業ドラグーンの後継者の証。
しかし、義介以外にも、14人の後継者候補が。
義介は後継者争いに巻き込まれ、さまざまな人々との出会い(つまり「縁」)を通じて成長してゆく。
えん×むす」は、そんな少年の成長物語漫画でした。
作者の瀬口たかひろ氏の作品は「オヤマ!菊之助」(秋田書店刊、全25巻)しか知らない自分にとって、「ん? らしくない漫画だなぁ」とか思っていたのですが。
チャンピオン連載では今年の春夏頃に主に展開されていた鴻庵編辺りからは“男の子成長もの少年漫画”としての色合いが強くなり、また、作品のテーマの一つである人との“縁”が前面に出されたりしてました。
その後も、次章への展開の布石をしてお守りバトル*1が展開、最強のライバルキャラである天道の強さが描かれたりしていたり(2話分位だけど)。
主人公の少年漫画キャラらしい成長、そしてライバルとの戦いを予感させてきたところで、いきなり最終回
面白くなって来たと思っていましたのに、非常に残念です。
少年漫画誌よりも、少し対象年齢上の雑誌なら連載打続いていたのかなぁ。

最終回に向けて急展開だったラスト3話あたりは、「えん×むす」らしくないEDだったと感じました。
というか、今までの展開を全て否定されるようなお話で。
自分希望としては「未来に希望を」持たせるラストにして欲しかったです。

*1:お守りバトル…主人公を含めて15人の後継者候補の持つお守りには、それぞれ“御利益”があります。それは普通のお守りのような気休めで無く、実際に強力な効果があり、後継者争いは、お互いのお守りを奪い合う戦い「お守りバトル」でもあるのです。これら「お守り」の力を使ったバトルも「えん×むす」の面白いところでした。ちなみに、主人公が最初に貰ったお守りのご利益は「縁結」という一番実益の無さそうなお守り。他は、「商売繁盛」とか「学業成就」(頭が良くなる)とか「七転八起」(5秒以内の事象をコントロール)等等、強そうなのが一杯(笑)。