鋼の錬金術師、漫画版とアニメ版との違い

11/22日分の感想でも少し書いたが、若干補足。

アニメ版は原作とほぼ同じエピソードを扱いながら、その意味合いが異なる話となっている。
それを読み取ることができる(または象徴する)大きな要素は、アルの年齢だ。
アニメ第7話の時点で原作は15歳。アニメ版は12歳。
つまり、原作では国家錬金術師になってから数年の歳月を経た後に”、アニメ版では国家錬金術師になって間もなく”に『タッカー事件』に遭遇している。
どう異なるかと言うとだ。
アニメ版ではエドの精神的な成長を促すエピソードとして『タッカー事件』(第7話)とその後の『バリー・ザ・チョッパー事件』(第8話)が描かれた(と思われる)。反して漫画版ではエド国家錬金術師になってしばらく後(様々な事件に遭遇、精神的に成長した後)に『タッカー事件』に遭遇している為、エド自身にとってのエピソードとして傷つく話ではあっても、今以上の成長を促す話では無い。(こう書くと若干語弊があるかもしれないが、悲しみに対しての耐久力があがるのと、心が成長するのは少し違う)
すなわち、アニメ版の方が、少年の成長物語としては優れていると思うのだ。
原作は2巻までしか読んでいなので、推測の域を出なかったりもするが、アニメ版では少年時代のエピソードから丁寧に描いていっている点から言っても、やはりアニメ版は少年の成長物語として綺麗に描いていっていると思う。

ちなみに、漫画版では既に錬金術師としても人間としてもある程度の成長を経た主人公兄弟と謎の組織(アニメでは現在第1〜2話でのみ登場)との対決が描かれいるような感じだ。こちらも面白いとは思うが、アニメ版とは全く異なる物語と考えた方が良いでしょう。