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D.C.〜ダ・カーポ〜
第18話「二人だけの秘密」
がーん、あっという間に両思いですか。
恋の鞘当てとか、まるで無しですか? 潔いな〜。
実際、今回のお話は今までの中で1,2を争う良さでは無かったか?(この作品の中で)。
過去回想の物語への絡ませ方も巧かった。
Hシーンを挿入すれば、そのまま18禁OVAに出来そうですよ。
いや、なってもしょうがないんだけどさ。
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前回と今回のお話で物語はクライマックスだったわけですが。
ここ数年のギャルゲ原作アニメの中でも「ダ・カーポ」は画期的な良作だ。なぜなら、“ToHeart系恋愛アドベンチャーゲーム”*1を原作とするTVアニメにおいて、原作のテイストと物語の両立をギリギリ可能にできた初めての作品なのだ。
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どうにもギャルゲ原作アニメには良い思い出が無い。
断片的な原作エピソードの羅列で終始してしまったり、つまらない(お色気)ギャグでお茶を濁したりする作品が良く目に付いた。
しかし一番の問題点は、見ているのが苦痛な程つまらないことだった*2。
原因はいくつか推測はできるが、自分は今まで「スタッフが原作の特性を把握し切れなかった(あるいは無視した)」というのが最も多い理由だと思っていた*3。
しかし、「ダ・カーポ」を見て、もう一つの大きな理由を見た気がする。
それは「“物語を描くことができる時間”の制限」。
ここでいう「時間の制限」とは、製作期間のことではなく「放送時間」のコトだ。
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ここ数年主流になっている恋愛アドベンチャーゲームは、大雑把に次のような流れになっている。
- 1.主人公と、恋愛対象のキャラクターの登場(紹介)。
- 2.主人公と各キャラクターのイベント(恋愛・非恋愛問わず)
- 3.主人公と特定の異性キャラクターの恋愛関係に到るまでのイベント(物語)。
- 4.恋愛関係になった後の主人公と恋人キャラクターのその後の恋のお話。(この4番目は描かずに、主人公に恋人が出来た時点で終了するゲームもある)
*4
しかし全てをTVアニメで描こうとするならば、13話は少なすぎるのだ。にも関わらず、多くのギャルゲ原作アニメは全部で12〜14話になっている。
製作者も「いかに一つの作品にまとめるか」頭を抱えることが多いだろうコトは想像に難くない。
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現在放映中で、原作ゲーム自体が(ほとんど)恋愛ドラマのみで終始する「君が望む永遠」はその方向性で特化することによって完成度を高めていこうとしているように思える。実際、原作ゲームではプレイ時間の約3/1を占める“日常のほのぼのドラマ”の殆どを削り取ることにより、それに成功しつつあるようだ。
その点、「ダ・カーポ」は実にシンプルな解決法を取った。
すなわち、
放送話数を26話に増やしたのだ!
単純だが、これによりアニメ版「ダ・カーポ」は、第1話から順番に「メインキャラクター紹介&キャラのミニエピソードを展開→恋愛ドラマ」という原作のテイストに極めて近い展開を出来たのだ。
これは画期的だと思う。
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放映話数を増やせば全てが解決するわけではないが、原作ゲームの魅力をアニメに可能な限り反映しようとしているアニメ「ダ・カーポ」のスタッフは水を得た魚だったに違いない。
これから作品も終盤に向けて盛り上がっていくだろう。どんなクライマックス、エンディングを用意されているか楽しみに見守っていこう。