第18話「とおいこえ」
脚本:大河内一楼/コンテ:どじゃがげん/演出:日下直義

ウルティマ戦から帰ってきた志麻。アリサ達の開いてくれた「お帰りなさいパーティー」で光太・りんなと共に一時の楽しい時間を過ごす。
その頃、ステルヴィアの上層部会議では、太陽系に接近する「コズミックフラクチャー(宇宙の裂け目)」の調査をインフィ(前回まで志麻と光太の乗っていた巨大ロボ)で行う旨、決定する。
光太「大丈夫です、志麻ちゃんなら」
志麻は本来の学生生活に戻るが、ウルティマから帰還するまでの80日の時間が立っていた。志麻はその間のアリサの進路変更などを初めとする友人達の変化に戸惑う。
志麻「そうか・・・80日経ったんだものね・・・」
そんな戸惑いから抜け出せないまま、光太の推薦で光太と共にインフィで調査任務に就くことになった志麻。
しかし、インフィの新システムにうまく対応できず、落ちこんでしまう。
志麻「だめだめ! ここで落ち込んだままだったら、今までと同じだぞ」
それでも何とか頑張ろうとする志麻。
しかし、追い討ちをかけるように晶から、自分への劣等感を吐露されてしまう。
晶「私は・・・あなたみたいな天才じゃあない」
親友の嫉妬と期待。
教官の過剰な期待。
志麻は急に自分が周囲から孤立しているように感じてしまう。
志麻「わたしは…天才…なんかじゃ・・・」
そして、新たな世界に目を奪われ、志麻の不安に気づいてやれない光太。
志麻は自分の不安を誰にも言い出せないまま、インフィでの調査任務に出発してしまうのだった…

以上、主観を交えたあらすじ。
ちょっと展開が急な感が無きにしもあらずですが、志麻の心情の動きが良い感じで描かれています。
序盤の志麻の“みんなに置いて行かれた感”は「学生時代の80日は大人の何倍もの密度でイベントがあるよね」って感じで好き。大人になるとこのあたり良くわかるんだよなぁ。
また、インフィの新システムテストが巧くいかなかったところで、自力で立ち直ろうとしたところに追い打ちがかかったところとか主人公を落ち込ませるためのイベントを詰め込んでいます。
友人からの嫉妬をぶつけられたり、他の友人も含めた周囲からの期待を過剰に受けて自分の不安を巧く人に相談できなかったり、最後の砦の筈の恋人(光太)も任務に夢中で話聞いてくれなかったり。踏んだり蹴ったりだな>主人公。
というわけで、急激に落ち込んでしまった志麻。
果たして立ち直ることが出来るのか!?
以下、次回!

で。
今回のお話、志麻の落ち込んだ要素って複数あり。

  • 友人達との共有時間が減少したための孤立感
  • 友人からの嫉妬
  • 自分の不安を聞いてくれない恋人にたいする苛立ち。
  • 周囲からの過剰な期待に答えられるのか、という不安。

以上の要素が折り重なって、ラストの泣きに繋がるわけですが。
それらの根元にあるものの一つは、物語序盤で描かれた志麻の(パイロットとしての)劣等生ぶり。
ここのあたりで培われた劣等感と生来の内気さが相まって今の不安定な心情に繋がっていると。
本当は、今回のミッション(インフィでの調査任務)が成功すれば大分自信が構築されていたかも知れない。
でも立ち直る前に、に影が落ちてしまった。
このあたり、確かに「エースをねらえ!」の岡ひろみが入っているかも(NewType2003年8月号の監督コメントとかもその辺り指してた?)。
というわけで、この辺りを今回、うまく書いていたと思うのです。