第17話「たたかい」
脚本:小出克彦/コンテ/鈴木利正・長澤剛/演出:長澤剛

前回の続きで。

相変わらずウルティマに取り付いたままの謎の戦闘機(?)に対し、残存兵力を糾合して、リベンジを挑もうとする志麻達。
そのころ、謎の戦闘機は、何故かウルティマを開放。ステーション内に残っている人々は脱出を試みる。
巨大ロボインフィの新装備と応援部隊も到着し、リベンジを挑む志麻たち。
敵の何機かを撃墜するが、その時、残りの敵が融合変形して巨大生物みたいな形態になった。
その巨大生物(?)は志麻たちには目もくれず、ウルティマを丸ごと(文字通り)持ち去ってしまう。
ウルティマの人々は自力で脱出に成功。
敵(?)の狙いがわからないままだったが、ウルティマの人たちの無事を喜ぶ志麻達であった。


今回の見所は、何と言っても久しぶりに再登場の初佳(あやか)さんです。
あいかわらずプライドを砕かれたショックから立ち直れない様子の初佳さん。
レイラ教官の過去の話や(前回の話で)負傷した人々とそれを懸命に世話する人々の様子を見て。
そして何よりも、前だけしか見ない(そしてお人好しな)志麻との再会を経て、立ち直るきっかけを得るのだった。

・・・だったわけですが。
それを巧く表現できていたかというと、概ねは。
りんなが負傷者の看護している場面に初佳が遭遇したシーンとか、志麻が昔の話にこだわらないように「一緒に戦えて嬉しいです」と初佳に話すところとか。その後「しっかりしなさい」と、初佳が自分を叱咤するところとか。
その辺りは良かったと思うのです。

ただし、レイラ教官の話だけ、違和感があったり。
レイラ自身の語りを聞く場面と、レイラの過去の知り合いから聞く場面の2つにわけてあった。
それ自体は良いのですが、その2つの話が巧く繋がっていない。
・レイラ自身の語りは、「自分は昔優秀なパイロットだったが、天狗になってステーションの建築現場に左遷された。そこで大きな事故を体験し、人一人の力がいかに小さいか思い知った」という話で。
初佳がこれを聞いて自分の傷を再認識してしまうのは良いシーンだったと思う。
・その後の別の人物から聞いたレイラの話は「レイラは優秀な奴なのに色々な現場を渡り歩いている。「なぜか?」と本人聞くと「そうしたいからだ」と答えたよ」という話。

・・・はて? 今ひとつ話がうまく繋がらないのですが?
推測するに、レイラ自身の話では、レイラも初佳と同じような体験(自惚れと挫折)をしていることを語り。
その後、別のキャラが初佳に「(初佳と同じように挫折した)レイラが、その後どのように行動しているか」という話を聞かせることにより、初佳に影響を与える・・・という話をしようとしたと思うのですが。

それなら、そういう話をキャラにさせてくれ。

というか、レイラ教官の昔の知り合いの話はいらんだろう。
レイラに話させるだけで良かったと思う。

で、今回のメインの一つだった戦闘シーンですが。
・・・だめだ! 盛り上がる筈の戦闘シーンが盛り上がらない!
初佳が仲間との連携で敵に隙を見せ、志麻&光太が攻撃して敵を撃破。
以前のわだかまりを捨てて3人が協力し合うという良いシーンだった・・・筈なのに。
はっきり言って戦闘シーンの作り方がダメだ。
素人目ですが、カメラ位置と、シーンの切り替えのタイミングを変えれば・・・。
ん? それ全く別物ってことか?

というわけで、ステルヴィアスキーのワシが珍しく文句つけたくなった回でした。
やれやれ。
ちなみに次回予告を見る限りでは、次回以降のお話そのものにはあまり不安は持っていないです。
宇宙のステルヴィア」のメインはヒロインの成長と人間関係の話だ、というワシの主張は今までと同じなので。

次回は、第18話「とおいこえ」
脚本:大河内一楼/コンテ:どじゃがげん/演出:日下直義